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トラックのクラッチ滑りとは?症状や原因などを解説!

公開日:2023年11月27日

ミッション車両では、走行中にギアを変更しようとする際にクラッチ操作に不自然な感触があれば、クラッチがスリップしている可能性が考えられます。

今回はクラッチのスリップが引き起こす影響や、その原因について紹介します。

まずはクラッチの構造について

クラッチはディスク状の動力伝達装置で、エンジンとトランスミッションの間に位置し、クラッチを踏むことでエンジンの出力をタイヤに伝えたり、逆に切り離したりします。AT車は自動的にギアを変えますが、MT車では運転者が手動で操作する必要があります。

クラッチが滑る状態が生じるのは、主にクラッチディスクの摩耗が原因です。クラッチカバーやスプリングが劣化すると同様に、クラッチの滑りが生じる可能性があります。

クラッチが滑っている状態になると、異常が発生しやすくなります。そのため、定期的にクラッチの状態を確認し、必要に応じて交換などの適切な対策を取ることが重要です。これにより、安全な運転状態を維持できます。

クラッチが滑ってしまうと‥?

クラッチが滑ってしまうとどのようなことが起きてしまうのかご紹介します。

トランスミッションがギアに入らない

クラッチがスリップすると、適切にギアを選択できず、その結果、車の運転が難しくなります。通常、クラッチを踏むことでギアチェンジが行われ、車は4速、5速、6速などの段階的な変速をします。しかし、クラッチがスリップすると、エンジンの動力が効果的にタイヤに伝わらず、これが原因でギアがスムーズに入りません。

結果として、ギアが正しく組み合わさらないため、エンジンのパワーが適切にタイヤに伝わらず、車の動力が失われることになります。これにより、車は効果的に走行できなくなります。

スピードが出ない

クラッチがスリップすると、エンジンのパワーが効果的にタイヤに伝わらず、その結果、スピードが上がりにくくなります。たとえギアチェンジができたとしても、エンジンの回転がタイヤに効果的に反映されないため、通常の走行が難しくなります。

クラッチがスリップしていると、クラッチ関連の部品が摩耗している可能性が高まります。この状態が続くと、車の性能が低下し、安全性にも影響が出る可能性があります。そのため、早めに修理工場で点検し、必要な修理を行うことが重要です。

クラッチの抵抗(遊び)がなくなる

クラッチが滑り続けると、クラッチの遊びが失われる可能性があります。通常、車はクラッチにわずかな遊びを持たせることで、即座に反応しないように設計されています。しかし、滑りが進行するとこの遊びがなくなり、非常に危険な状態となります。

このままの状態で放置すると、車は走行不能に陥り、修理費用が急激に増加する可能性があります。早急に修理を行うことが重要であり、危険を回避するためにも適切な対策が必要です。

クラッチを繋いだ際の振動

クラッチがスリップし始めると、クラッチをつなぐ際にガタガタと振動が生じることがあります。初めての場合、「つなぎ方が不十分だったのかも?」と考えることもあるでしょう。しかし、これが頻繁に起こる場合は注意が必要です。

この振動が継続すると、ギアの損傷が生じ、修理費用が高額になる可能性や、最悪の場合、走行不能になる危険性があります。そのため、このような症状が現れたら早急に対処することが重要です。

クラッチが滑っているかを確認する方法は?

クラッチ滑りを確認する方法は複数ありますが、最初にクラッチペダルの遊びを検証します。

クラッチの遊びを確認するには、「エンストテスト」を行います。エンジンを起動し、ブレーキを踏んだ状態でクラッチを踏み、最高ギアに入れた後、ブレーキを保持したままクラッチを徐々に解除します。

途中でエンストすれば、遊びが不足している可能性があります。急にエンジンが停止する場合は、クラッチの遊びが十分でないことを示唆します。

次に「走行中のテスト」を行います。トップギアから2番目(例: 4速から3速)にシフトし、エンジン回転数を2000〜3000に保ちながらアクセルを全開にします。クラッチがスリップしている場合、エンジン回転数が瞬間的に上昇します。

走行中のテストを実施する際には、安全に留意しながら周囲に影響を与えないように心掛け、速度制限を守って実施しましょう。また、騒音に気を付けつつ、昼間に行うことが望ましいです。

クラッチが滑っている原因!

ここではクラッチが滑っている原因についてご紹介いたします。

半クラッチを頻繁に使用する

習慣的に行われることではありますが、半クラッチを頻繁に使用すると、クラッチディスクの摩耗が増加し、それによりクラッチ滑りが発生しやすくなります。たとえば、交差点で停車して発進する際に半クラッチを多用することが挙げられます。

必ずやってはならないというわけではありませんが、半クラッチの頻繁な使用はクラッチディスクや周辺の部品の摩耗や損傷を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。

クラッチディスク関連部品の経年劣化

クラッチディスクは時間の経過とともに摩耗が進む消耗品です。長期間交換せずに使用していた場合、クラッチディスクがかなりすり減っている可能性が高まりますので、できるだけ早くクラッチディスクの摩耗を確認し、必要に応じて交換することが望ましいです。

ディスクだけでなく、クラッチカバーやスプリングなどの関連部品も同様に消耗品ですので、定期的な点検を行い、必要に応じて早めの交換を心がけることが重要です。

クラッチペダルを踏んだままの走行

通常、最高ギアにシフトしたら運転中はクラッチに触らずに走行するのが一般的ですが、中には足をクラッチに乗せたまま運転する癖があるドライバーもいます。しかし、クラッチに足を乗せたまま走行するのは危険です。

少しのはずみでクラッチを深く踏んでしまうと、半クラッチの状態になってしまいます。これによりエンジンの動力がうまく伝わらなくなり、適切な制御が難しくなります。ですので、クラッチから足を離す習慣を身につけることが重要です。

最悪走行できなくなる可能性も

クラッチ滑りに気づく人はすぐに気づくことがありますが、中には気づかない人もいます。しかし、この状態で走り続けると、初めはギアがスムーズに入らない程度で済んでいるかもしれませんが、徐々に症状が悪化していきます。

ディスクの摩耗が進むと、クラッチディスクだけでなく、カバーやスプリングなどの関連部品にも故障が広がります。最終的には走行不能になる可能性も考えられます。修理を避けている間に、修理費用が高額になる可能性もあります。また、走行不能になると修理代が想像以上にかかり、新車購入を余儀なくされることもあります。

これらの状態になる前に、定期的な点検と修理を行いましょう。

クラッチ滑りは早めに対処!

クラッチは自然に摩耗する部品です。荒いギアチェンジや高回転域での持続的な運転はクラッチに損傷を与える可能性があります。

初期段階で気づくことが理想的ですが、症状はゆっくりと進行するため、少しずつ変化が現れるはずです。これらのサインに気づいたら、早めの点検と修理が重要です。

問題を放置することが最も危険です。そのままにしておくと、やがて車が動かなくなり、貴重な車が廃車になる可能性があります。

ただし、心配なのは修理費用です。MT車の場合、クラッチのオーバーホールには軽自動車で7万〜7.5万という高額な費用がかかります。しかし、費用を抑える方法もあります。それは新品ではなく、リビルト部品や中古部品を使用することです。

まとめ

今回はクラッチがスリップするとどのような影響があるか、その原因について説明しました。また、この状態を放置するとどうなるか、そして交換にかかる費用についても紹介しました。

走行不能になる前に、できるだけ早くクラッチを交換することをお勧めします。

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